【街金は見た!】ぼく「利息支払えません」、貸金業「んやとぉ!rYoFd82cXr4GNOfRzqsp!(博多弁)おまえ働いて返せ!」《20代半ば借金奴隷》
【多重債務の現実】ぼくと街金①
■はじめての福岡。が、行き先は金貸しの事務所
「たぶん大丈夫……」
電話を切り、脳死状態の頭を殴り必死に考えました。1週間後に入金があったはず。それで返済すればなんとかなる。
はい、多重債務者脳の典型です。
入金予定があっても、その間に生じる支出を全無視した計算を脳がはじめるんです。
当然1週間後に完済できるわけがなく、10日おきにおじさんに指定された口座に10万円を振込み続けました。
なぜか口座名義はおばあちゃんみたいな名前でした。
そんなことも長くは続かず、
「よし、もう無理だ。福岡まで行って謝ったら許してくれるかも。もう200万くらい振込んでるし」
飛行機に飛び乗りました。
脳内シミュレーションしました。
こう言ってきたらこう返す、で、こう来たらこうかわす。
はじめての福岡。が、行き先は金貸しの事務所。
ザ・雑居ビルに入り、会社名も書いてないドアをノックすると、
「はいー」
女の人の声がしました。気が緩みました。シミュレーション通りいけるかも。
でもドアを開けたのは、東京では会ったことがないレベルの強面お兄ちゃんでした。
「どうぞ」
中に入るよう促され、奥の部屋に通されました。
奥の部屋では、ウエスティンホテルで会ったおじさんがニコニコ迎えてくれました。
「わざわざ来てくれてありがとな、今日はどした?」
「はい、実はですね、お金が尽きまして、利息の支払いがキツくなりまして……」
「んやとぉ!rYoFd82cXr4GNOfRzqsp!EAmJzHN0iHXDP2V6xLkr8dA8plWoQeS7XiCdYN0KXVXSxG6gi7so7!!!!!!TpwTW2iKsFoHAIIS3w40tXlo4hLF71xlIc0cD2NiQd8XqK2Yy3Ub!!!!!!!1joxhMQtGajUk91XmXIDR2uIvYldhkyvRA9up9XVLEeXkJy8hmJFVyt7J0CeJ0x2vZrJkrh!!!!!!!!!!!」
はじめて博多弁で怒鳴られたので、何を言ってるのかまったく理解できませんでしたが、ゴミ箱の裏から日本刀が出てきたり、淹れたてコーヒーが降ってきたり、まぁ散々です。ちょう怖いです。
冷静になったおじさん、
「じゃおまえ働いて返せ」
ぼくのズブズブ奴隷生活のはじまりです。
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『ぼく、街金やってます: 悲しくもおかしい多重債務者の現実』
著者:テクツル
東京・池袋で街金を営む著者のもとには、さまざまな多重債務者がやってくる。そして返すあてもないまま借金を重ねていく。そんな彼らの、悲しくも爆笑せずにはいられないさまざまなエピソードを面白おかしく、しかし赤裸々に、街金ならではの視点で紹介。
ほかにも、ブローカー、詐欺師、悪徳業者、反社など、日常生活では出会うことのない人々が続々登場。今まであまり語られることのなかった街金コラムも満載。あなたの知らないお金の世界が見えてくる!